フィリピンのホームレスの実態に驚きを隠せなかった

ある土曜日の昼下がりの出来事だ

僕はフィリピンの首都マニラの高架橋を渡っていた

階段を上っている最中に橋の真ん中辺りでホームレスだろうと思われる4人家族を発見した

この時の僕の心情はこうだ。「恐らく乞食されるんだろうな」と思いながらすでに左手で寄付する時の為の小銭をポケットの中で探していた

そして遂に階段を上り終えた。ホームレス家族を見ると楽しそうにしている

しかしやはりホームレスだろう。子どもの服はボロボロで、親も何日も風呂に入っていないことが安易に想像できるほど肌が汚れている、が、通行人が複数いるのを蚊帳の外にこれでもかというほど大声で下品に笑っている。もちろん彼らがタガログ語で何の会話をしていて何の冗談を言って笑っているのかは知る由もない

そしてちょうどホームレス家族の横を通り過ぎようとしたころ、ホームレス家族のボス的存在であろう父親が僕の存在に気付いたのだ

その瞬間ホームレス家族の父親は、先ほどの笑い顔が嘘だったかのように困り顔をしてみせたのだ。

なんということだ。

恐らくその時間コンマ数秒。このコンマ数秒の間に笑っていた顔から、これでもかというほどの困り顔に変化させたのだ

この父親、ウィルスミスの演技力を超えている。いや、遥かに超越している

そしてさらに恐ろしい事態が起こる

なんと父親がコンマ数秒で困り顔の演技をしてみせたさらにコンマ数秒後、母親、そして子供二人も完璧なる困り顔を披露してきたのである

なんということだ

母親はアンジェリーナジョリーも顔負けの困り顔を演技している

さらに子供二人も幼き頃のマコーレーカルキンを連想させるほどの困り顔で僕のほうを見てくる

文章では伝わりにくいが、これはコンマ数秒内で起きた出来事なのだ

なんなのだこの家族は。いっそのことこの家族を演劇団として推薦したい

もうこの状況で僕の中にこの家族を素通りするという選択肢はもはや無かったのだ

僕は敗北を覚悟し、先ほどポケットの中にあると確認したコインを取り出そうとポケットに手を伸ばした

しかしなんということだ

最近フィリピンでは、ホームレスを発見してもびた一文たりとも寄付しなかった。なぜならこのフィリピンという国にはホームレスが多すぎるからだ。会ったホームレスに毎回寄付していると、僕の財布の中身が尽きてしまうのは、火を見るより明らかだ

そして僕はポケットの中にあるコインを集めた。おそらく合計25ペソほどあるだろう。これだけ渡せば十分だろうと彼らの顔をもう一度見渡した

 

 

 

 

ドヤ顔を、している

 

やってやったぞと言わんばかりのドヤ顔をしている。

お気づきだろうか。

ウィル・スミスやアンジェリーナジョリーやマコーレーカルキンは持ち前の演技で億万長者になったのだ

そしてこの僕の目の前にいるフィリピン人の家族、僕に迫真の困り顔を演技して、実際にお金を今、手に入れようとしている

彼らのドヤ顔はもっともだ

そう、僕は完全敗北を喫したのだ。いやこれは敗北ではなく恐らく必然として起こった出来事

つまりはこの家族は僕に演技を披露した。この25ペソはその演技力に支払われる対価なのだ。

なんならこの家族をただのうるさいホームレス家族と罵っていた自分が恥ずかしい。立派な演劇団ではないか

ここはどこなのだ。橋の上ではない。プロフェッショナルな演劇集団が僕一人のためにこんな迫真の演技をして、最後にはサービスにドヤ顔を披露しているのだ

この時、目の前にいる父親と心の中で会話したような気がした

「おや、ジャパニーズ君、君は僕らの演技に負けたんだよ、さあ、金をくれたまえ、100ペソくれたまえ」

「ひゃ、百ペソ!?」

「そうだ、君は今25ペソを渡そうとしているかもしれないが、そもそもそれは一人分に対する金額であろう。我々は合計4人いるのだ。4×25、これはどこからどう見ても100ペソであろう。」

「た、確かに,,,,」

 

 

そして僕は何かを悟り、彼らに100ペソを渡した

 

しかしあの100ペソは決して彼らに支援したものではない。彼らの演技力に対する対価なのだ

 

もう疲れたので今日は寝ます。ありがとうございました。

ではまた次の記事で。バ~イ。

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FB:フィリワールド Angie

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